12月3日、アジェンダプロジェクト京都の定例学習会を行いました。
内容はタイトルにある松尾匡さんの著書を検討するものでした。
この著書は、16年7月の参院選で安倍内閣とどう対決していくか、を大きな課題として挙げています。
経済学者の立場から、安倍内閣の経済政策への批判を展開しています。

松尾さんは「アベノミクス」を「野望実現のための手段」ととらえ、選挙前に好景気にもっていけるように綿密な計算のもとで実施されていることを指摘しています。実際、消費税の増税に関しても選挙を考慮して実施時期を決定、延期を行ってきています。

「アベノミクス」はマイナス金利に象徴される極端な金融緩和を進め、円安の誘導によって輸出が増えて過去最高の業績を上げる企業もあります。一方で国内需要は増えず、賃金の底上げも行われないため多くの市民にとって景気回復を実感できない、というのは多くのマスコミ報道、経済学者の分析からも明らかです。

本書の中で松尾さんは「アベノミクス」にた移行するための経済政策を示します。
それは、日銀の「緩和マネー」を福祉・医療・教育・子育て支援2支出して総需要拡大へ、というものです。
現在も日銀が国債を購入し、400兆円を超えていますが、どちらも国家機関であり返済を迫られることがなく永久に借り換えが可能だとしています。2%のインフレ目標も肯定的にとらえており、それにあわせて最低賃金や生活保護費、年金も上げるべきだと主張しています。
結論的に言えば、「アベノミクス」を上回る需要喚起策をとるべきで、お金をさらに市場に循環させることが必要だと説いているのです。いわゆる「リフレ派」というやつでしょうか。

経済成長を考えると、労働力不足は避けて通れない問題です。
外国人労働者を入れていくのか、移民を受け入れるのかなどについての言及はありませんでした。
高い経済成長率を求めるのではなく、低成長でも持続可能な社会を指向していきたいと考えています。



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