10月28日 アジェンダプロジェクト京都 学習会

「アベノミクス」6年間の検証を試みる

今回の学習会は財政問題がテーマですが、そもそも財政とは公権力を持つ組織の経済活動を指します。
日本を含む先進国に共通する財政の特徴は、財政赤字の拡大、財政民主主義の空洞化、などがあります。

財政民主主義とは、強制的な徴税に対して支出は納税者(市民)の統制を受けることです。事前の規制として予算制度、事後のそれとして決算制度、いずれも国会で時間をかけて審議が行われています。

日本では財政赤字が深刻であると言われますが、それに関する規程は財政法4条、5条に記されています。公債発行の原則禁止、公債の日銀引き受けの禁止など、現在はいずれも破られています。

財政赤字急増の原因として、90年代のバブル経済の破綻によって金融機関が不良債権を抱え、景気の後退の中で財政出動を繰り返した結果です。
その打開策として安倍内閣は「アベノミクス」を打ち出しましたが、その主たる政策である「異次元の金融緩和」は、日銀が金融機関から国債を買うことを指しています。日銀が国債と引き替えに金融機関に出したお金は当座預金にたまり、実際に市場に出回るわけではありません。
2017年末の日銀の国債保有額は449兆円、発行額全体の41%を占めています。金融緩和によって「マイナス金利」を生み出すに至っています。
このような異例の経済政策でも株価の高騰、企業の営業収支の改善はみられるものの、人々の暮らしに改善はみられないことは様々なデータからもあきらかです。
「アベノミクス」の最大目標である物価上昇率2%、名目経済成長率3%は、先延ばしを続けているのが現状です。
バブル崩壊後の長期的な経済停滞と「構造改革」(橋本、小泉)路線の下に雇用流動化策と賃金抑制の恒常化がデフレを定着させた。金子氏はこの現象を「日本病」と名付けています。

GDPの2倍という巨額の財政赤字(国債発行額)を抱える日本、これをどう解消していくのかは経済学者の間でも意見が分かれます。個人金融資産や対外純資産が潤沢にあり、国債価格が暴落して日本がデフォルトになることはすぐにはないようですが、今後の経済成長が見込めない日本は格付けも下げられています。

一部の人に富が集中する現状を転換し、多くの人々がまっとうに暮らせる社会を作って行かなかければなりません。



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