本日、アジェンダプロジェクト京都の定例学習会をおこないました。
テーマは「アジェンダ41号」特集「脱成長社会を考える」です。
とりあげたのは、勝俣誠さんの「「脱成長への道」へのいくつかの切り口」と、松久寛さんの「縮小社会への道」、広井良典さんの「脱成長社会の構想」です。
いずれの論稿も経済成長を第一に考える資本主義社会のあり方を批判し、ゼロ成長・マイナス成長でも十分に社会が成り立つことを理念的・実践的に示そうとしたものです。

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勝俣さんは、「脱成長」という言葉が注目を集める背景には、現代日本の「居心地の悪さ」があると指摘します。そこから、この思想を発展させ活用するため、一定の定義を与えようとします。
それは生活の豊かさにおいて量より質を大切にすること、生活と労働の脱商品化、自然環境の重要性の再確認、生きるための手段と目的の峻別、というものです。

松久さんは、資源面、環境面から考え、経済成長は不可能であるとします。
そのため、それらが再生産可能になるよう経済活動を「縮小」していくことを唱えます。
そこから様々な例を挙げ、幸福な縮小社会が可能であると訴えるのです。

「定常化社会」で有名な広井さんは、人類の歴史を振り返り数万年前、数千年前と「定常化」は繰り返されてきたとして、それは文化的創造の時代だと訴えます。現在の私たちの時代は、「第三の定常期」に向かいつつあるとのことです。

ものすごく簡単にまとめましたが、詳しくは本書をご購読ください。
「アベノミクス」のような、成長至上主義の考え方がはびこり、多くの人がそれを支持しています。
しかし、成長によって利益を得るのは一人握りの集団にすぎず、上記のように資源の枯渇や環境破壊を招きます。日本には、経済がマイナスであっても豊かな生活を保てる十分な資源があるのです。



今後の予定

8月11日(日) 14:00
学習会 「経ヶ岬の米軍Xバンドレーダー基地建設について」
場所 下京いきいきい市民活動センター本館 2階 会議室2
参加費200円(会員・定期購読会員は無料)

8月25日(日) 14:00
上映会「わすれない ふくしま」
場所 下京いきいきい市民活動センター本館 3階 集会室
参加費 600円 

(アジェンダ・プロジェクト会員 定期購読会員および学生は 400 円)