2月21日、アジェンダ京都主催で、去る2月4日に参加12ヵ国が署名したTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について、講師に大阪のAMネット事務局長の武田かおりさんをお招きして学習講演会を開催しました。『アジェンダ』でも2012年にTPPを特集(36号)していますが、秘密交渉のTPPの協定文が明らかになった現在、最終的にそこには何が書きこまれたのか、今後これによって私たちの暮らしはどう変えられようとしているのか、条文を読むだけではわからないTPPについて、13時半から17時まで、関心のある参加者で、まずはじっくり学習する場となりました。

 武田さんからは、農業に限らず私たちの生活のあらゆる場面に影響を与えるTPPの基本的な説明に続いて、TPPは今後も変わり続ける「生きている協定」であり、また、「日米対立」というよりは「(グローバル)企業vs,市民」としてとらえるべきことが提起されました。講演をお聞きして改めてわかったことは、TPPは条文が公表されても本当にわかりにくいことです。どの小委員会で何が議論されているのか簡単にはわからない、条文の中で使っている「言葉」の定義すら簡単にはわからない、協定本文だけでなくそれぞれの二国間交渉で何が決まったのかまで見ないと、わからないことなどです。今回の学習会の中でも具体的に紹介・議論されたことですが、日米間の並行協議で、日本政府の政策決定過程の審議会などに「利害関係者」として米国のグローバル企業の参加が明記されている一方、その逆は書かれていないことなどは驚きでした。しかもこれは、TPPが発効することが条件なのかどうか、それすら曖昧なままにされているそうです。全体を通じて、私たちにはもちろんですが、日本の政府や企業にとってもTPPに本当に「メリット」があるのか、それすら不明なこともわかってきました。

 一方、武田さんからは、昨年の「大阪W選」の際の「市民マニフェスト」の取り組みなど、地域から社会を変えていくことの可能性も紹介され、新自由主義に「反対する」だけでなく、積極的に「創っていく」ことも提案されました。さらに多くの人にこの問題について関心をもってもらうにはどうすればいいのか、講演の感想も交えて参加者で話し合われました。
 
 既に署名がなされ、政府がTPP対策費を予算案に盛り込んだりするなどしているためか、内容もよくわからないままにことが進められ、TPP批准反対の声は盛り上がりを欠いているように見えます。国内では3月8日に閣議決定、今国会での批准すら狙われているようです。しかし米国はじめ他国ではすんなり批准されるかどうか、まだまだ不透明な状況にあります。批准反対はまだ手遅れではないのです。
 TPPは現在進められている新自由主義的な規制緩和の大きなテコとなるものです。今、非正規雇用の増加をはじめ格差と貧困が広がっていますが、勘違いしてはならなのは、これは自然に「増えた」のでも「広がった」のでもないことです。非正規雇用は「増えた」のではなく、新自由主義的な政策によって意図的に「増やされた」のだということ、だからこそ、この流れは私たちの手で止めることもできるし、止めなければならないのだということを、強く訴えたいと思います。


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