2月10日、アジェンダプロジェクト京都の定例学習会が行われました。今回のテーマはセクハラ問題。
アメリカの芸能界を発端にしたセクハラ被害の告発「metoo」運動が広がりを見せていて、日本でも名乗りを上げる著名人が出てきています。
今回の学習会では、この運動について紹介し、今後の展望を語り合いました。
きっかけは2017年10月に大物映画プロデューサーのハービー・ワインスティーンが長年俳優らにセクハラを繰り返していたことが発覚したことでした。2ヶ月間で38名の著名人らが告発しました。ワインスティーンのほかにもオリバーストーンやダスティンホフマン、スティーブンセガールなどの大物監督・俳優が告発されました。
1月の映画賞「ゴールデングローブ賞」で俳優たちがセクハラの抗議と被害者への連帯の意を込めて黒い衣装をまといました。
今後アカデミー賞など映画の表彰式が続きますが、同様の動きが広がると言われています。

米国以外の状況も報告されました。
スウェーデンではエンタメ業界でのセクハラ告発が550名もの女性によってなされ、意見広告が新聞紙上で出されました。
イギリスでは議員への告発が相次いでいます。議会・官庁の女性スタッフが男性下院議員のセクハラをメッセージアプリで共有していて、それが報じられました。
フランスは激しい追及が行われています。「私も」ではなく「ブタ野郎を告発しろ」というハッシュタグで告発が広がっていることでもそれが解ります。レイプ、性的暴行、セクハラの10月の報告件数が前年比で30%増加しています。
中国でも声を上げている女性が出てきていますが、ネット上に投稿された告発文が削除されるなど、当局による言論統制が行われています。
中国では雇用や待遇面で女性は不利な立場に置かれることが多く、男性優位の職場環境もセクハラを生む要因となっているというこです。

日本では、人気ブロガーの「はあちゅう」さんが広告会社につとめていたときの被害を告発したことがきっかけで、metoo運動が広がりました。はあちゅうさんたち告発者には勇気づけられたと応援する声があがる一方、バッシングも広がっています。
metoo運動以前に日本ではTBSの記者にレイプされた伊藤詩織さんや自らの性被害を実名で出版した小林美佳さんがいます。

metoo運動に連帯し加害者を告発した著名人の行動は、多くの反響を呼び起こしましたが、職場の上下関係でセクハラを強要されるなど、声を上げられない人々はたくさんいます。
学校教育、職場での研修などを徹底しセクハラをなくしていかなければなりません。