48日、アジェンダプロジェクト京都の定例学習会がありました。

テーマは雑誌「アジェンダ」60号からです。

 

飯田哲也氏の「自然エネルギー100%未来に向かう世界」

 

自然エネルギーは革命的な拡大を続けていて、設備規模からしたら風力、太陽光はすでに原発を抜いている状況があります。10年単位で10倍になることが続いています。 

普及すればするほど性能が上がってコストが下がり、さらに普及を促すサイクルが生まれています。対照的に原発は、技術が複雑化、巨大化するにつれてコストが膨れ上がっています。

311は大きな負の遺産とともに、希望のもてる大きな変化をも促しました。日本では自然エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の導入がはじまり、各地の裁判所で運転差し止め判決が出されています。海外ではドイツを始め脱原発の大きな潮流を生み出しています。

しかし、「原子力ムラ」はまだまだ強固です。民主党政権が打ち出した「原発ゼロ」は葬り去られ、エネルギー政策で原発の割合を維持しようとしています。

日本での自然エネルギーの導入状況は、日本は中国に次ぐ世界2位の設備規模ということです。

その理由として㈰事業リスクの低さ、短期間で事業化できる㈪土地を確保する以外ほぼ規制なし㈫94年から補助金と余剰電力買い取りが始まった分野なので蓄積があった。があげられています。

メガソーラーが各地でつくられる中で、自然保護や地域社会との調和の面で問題のある乱開発になっていることも指摘します。

自然エネルギーの拡大には多くの障壁がありますが、311後の日本には変化は確実に起こっています。脱原発の支持の大幅な増加、地域分散・ネットワーク型エネルギー事業の各地での立ち上げ、などです。揺れ戻しは存在しますが、大きな潮流としての脱原発は進んでいます。

 

槌田邵氏 「終演に向かいつつある原子力発電」

 

槌田さんは「原発を終わらせるのは、彼らに原発では儲からないことを思い知らせることです」と言います。国策での原発推進により原発関連企業はそう簡単には変われませんが、原発はカネ勘定にあいません。

司法判断のリスク、他社の事故でも動かせなくなるリスクなどです。

関電は、原発維持の重荷で価格競争力を失っています。電力自由化で顧客離れが止まりません。2年で140万人が関電から別会社に乗り換えており、顧客の1割を失ったことになります。

安全対策や人件費も多くかかるのが原発です。関電は人件費の44.7%が原発部門です。

「原発の電気は買わない」という運動は、原発を維持する電力会社を資金的に締め上げることにつながり、脱原発の大きな力になるのです。

 

アイリーン・美緒子・スミスさんのインタビュー記事「市民の行動が原発再稼働を止めてきた!」

 

脱原発の運動続けてきたアイリーンさんは、闘うための情報を提供してくれています。

再稼働を巡る争点として、地震の問題、火山の問題があります。地震の揺れや火砕流・火山灰の影響を過小評価しています。

避難計画も大きな問題です。

避難者をピストン輸送する車が足りない、子どもの優先保護にも考えが至っていない、避難場所・施設は行政が手配することになっているが可能なのか、などの問題を抱えています。

原発再稼働に向けて行われている様々な場面で差別的な構造があるとアイリーンさんは言います。

自治体の防災課が「関所」になって市民の声が首長に届かない。周辺自治体のみならず、立地自治体の同意権や電力会社との安全協定にも法的な規定はない。住民説目会がまともに行われない。決定の場における男女比率の問題、社会的に苦しい人のことが吸い上げられない。

などです。

原発再稼働の動きにはこうした差別構造が横たわります。これらを取り除き、脱原発にむけてとりくみましょう。


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